不動産融資に突っ走ったバブル時代

不動産融資に突っ走ったバブル時代の住専経営にある。住専とはそもそもいかなる企業なのか。住宅金融専門会社。これが住専の正式名称である。現在、最大手の日住金のほか、日本ハウジングローン、第一住金、住宅ローンサービス、住総、総合住金、地銀生保住宅ローン、共同住宅ローンの合計八社。本来、個人向け住宅ローンを本業に銀行が母体となって設立されたにもかかわらず、バブル時代に地上げ融資に突っ走った。いま、無残にもダッチロール経営を余儀なくされているのはその当然の帰結でしかない。そのなかでも事態がもっとも深刻化したのは、業界最大手の日住金。日住金は本業の住宅ローンがコンピュータ化を背景とした銀行の肩代わり攻勢を受けて劣勢に立たされた時、いちはやく不動産融資に乗り出した。当時はそれで、伸び悩んでいた業績を一挙に挽回。業界トップ企業として面目を施し、他社をオイシイ市場に呼び込んだ。その経営が危うくなったのは、バブル崩壊後まもなく。だが、それをうすうす感じ取っていた同社の母体銀行が正式に支援の要請を受けたのは九二年三月になってからのことだった。当時、当社のワンマン社長だった庭山慶一郎氏がカネの工面に訪れたのである。その内容を母体行の担当者は次のように説明する。「日住金は抵当証券を三千億円程度発行していたのです。そのうち九二年度に一千五百億円を償還する予定だけれど、貸出しが焦げついて償還資金が不足したから、八百億円借りたいという相談でした。やはり、これはたいへんな状況に陥っていると思いましたよ」日住金の母体行は、主力行の三和銀行、準主力行のさくら銀行以外に七行。大和、あさひ、北海道拓殖の都銀三行、三井、東洋の信託二行、横浜、千葉の地銀二行。以後、新聞報道も加わり、同社の経営悪化が一挙に表面化するなかで、母体九行は金融支援の検討を開始。主力行の三和銀行は、日住金の経営実態の調査に乗り出した。それによって得られた結果は「日本住宅金融(株)の現状と再建策について」と題した詳細な内部レポートとなった。B4のコピー用紙十枚以上におよんで日住金の瀕死状態を説明する同レポートの一部を紹介しよう。

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